父の歩く速度が遅くなり、階段の上り下りが難しそうだと感じたのは80歳を過ぎた頃のことです。

「一緒に体操しない?」と誘っても、「忙しいんだよ」と笑ってはぐらかす父。
足の感覚が鈍くなり、靴下を履くのも危ないと言いながら、冬でも裸足で過ごしていました。

健康を支える仕事をしていながら、私は父に十分なサポートをしてあげられませんでした。

もともと耳が悪かった父は、もう片方の耳も遠くなり、 家族との会話も少なくなっていました。

私は父とのコミュニケーションを大切にしたいと思い交換日記を始めました。
数回のやり取りの後、父から 「少し難しい」 と言われ日記は長くは続きませんでした。

そんな父が「杖が欲しい」と初めて助けを求めてきた時、私はすぐに杖をプレゼントしました。
その日、父が見せてくれた笑顔は、私にとって特別なもので忘れられません。

その翌日、喜んで杖を手に外出した父は、帰宅時に家の玄関まであと数歩のところで倒れました。

そして、転倒による脳梗塞で3日間の入院後、亡くなりました。

「もっと早く私にできることがあったのではないか」
「杖をプレゼントしていなければ」
など後悔ばかりしていましたが、遺品整理であの時の交換日記が見つかりました。

最後のページは父が倒れる前日に書かれたものでした。

「良い杖がみつかった ありがたい。これから少し足の運動にも力を入れたい」 というメッセージ。

その日の父のポケットには薬局で買った2つの目薬がありました。

「まだまだ生きる予定だったこと」
「最期の日まで前向きだったこと」

これは私にとって大きな救いとなりました。言葉で遺してくれていたことが本当に有り難かったです。

父の死を通じて健康の大切さを改めて感じました。

そして、「自分自身はもちろん、お会いする皆さんの健康寿命を伸ばしたい!」と、
強く思うようになりました。
そのために、運動で人と人をつなげ、みんなで笑顔を広げ、 楽しい時間を共有したいです。

運動の楽しさを伝え、 心と体の健康をサポートすることで、一人ひとりが健康的に過ごせるようになるだけでなく、 家族全体の健康も守られていく。

私が大切にしている想いは、
「あなたから始める家族の健康づくり」 です。

「楽しかった、ありがとう」
そう思える人生を、 一緒に作っていきましょう!